愛子天皇待望論!皇室典範と乖離する国民感情

伝統

昼から生でガチバトルは実在しない架空の番組です。すべてゲンカイモンが創作したものであり、実在する人物、団体、書籍とは一切関係ありません。ただし、内容は参考文献に基づき正確性を期すよう、細心の注意をはらい制作しています。初めて訪問された方は「ヒルガチの歩き方」をご覧ください。より深くヒルガチをお楽しみいただけます。

ようこそ、ヒルガチへ。

ゲンカイモンです。

クリティカルシンキングの鍛練には、自分とは異なる意見とガチでぶつかり合う討論こそが最強であると私は信じています。

心地よい同調圧力の中で思考停止していては真実は見えてきません。

本日のヒルガチは日本の根幹に関わる、ただし、あまりにセンシティブで議論を避けがちなあのテーマに切り込みます。

感情と伝統と人権。

これらが複雑に絡み合うこの問題を、タブーなしで議論する意義は計り知れません。

さあ、日本の未来を左右するバトルの幕開けです。

田川さん、本日も張りきって参りましょう!


田川
ゲンカイモンさん、熱いパスをありがとうございます。

テレビの前のあなた、こんにちは。

田川福三郎です。

田川 福三郎(たがわ ふくさぶろう)
ジャーナリスト歴60年。番組をまとめることが使命と信じる熱い男。事前にゲンカイモン、アシスタント大鷹、番組スタッフと入念に打ち合わせを行い、理論武装した上で番組へ臨んでいる。

今週もやってまいりました。

1週間で最も熱い金曜のお昼、ヒルガチ。

今週も張り切っていきましょう。

テーマの発表とパネリスト紹介

さっそく、本日のテーマの発表です。

愛子天皇待望論! 皇室典範と乖離する国民感情

元号が令和に変わり早7年、令和7年11月17日から22日までの6日間、愛子内親王(あいこないしんのう)が公務として初めて海外、ラオスを訪れました。

そんな折、12月14日、読売新聞が世論調査を発表、女性天皇容認が69%と出ました。

他の調査機関と比べると少し低い印象ですが、とは言え国民の約7割が女性天皇を支持している。

高い支持の背景には愛子さまへの敬愛の情があるのは確かでしょう。

一方、現状を見ると、政府や保守層は「男系男子」の伝統維持を固く主張し、議論は平行線をたどり停滞したまま。

高市総理も女性天皇容認には慎重な考えと聞いています。

なぜ国民の大多数が望むことが実現しないのか。

そもそも「男系」、「女系」とは何か?

今日は日本の伝統継承と皇室の未来について、昼から生でガチバトルしていただきます。

それでは、この難題に挑む最強のパネリストをご紹介しましょう。

まずは女性天皇容認、改革派の論客といえばこの方、高森 明美さんです。

女性女系天皇肯定側:高森 明美 (たかもり あけみ)
・アルバード大学法科大学院修了
・憲法学、ジェンダー法学、法学博士
・著書:『象徴と人権』『皇室のジェンダーギャップ』他

高森
今日は国民が味方についているので心強いです。

愛子内親王が天皇になれない合理的な理由など存在しません!


田川
女性天皇容認の割合は高いですからね。

宜しくお願いします。

続いて、女性天皇の即位は国体の崩壊を意味すると主張する、保守の重鎮、神宮寺 剛さんです。

女性女系天皇否定側:神宮寺 剛 (じんぐうじ ごう)
埼東大学大学院 神道学専攻修了
・皇室史、神道学、神道学博士
・著書:『Y染色体が紡ぐ日本の国体』他

神宮寺
天皇は国民投票で決まるわけではありません。

神代から連綿と2600年もの間紡ぎ続けた男系の糸を、我々の世代で断ち切るなど言語道断です。


田川
宜しくお願いします。

それでは、大鷹さん、今日の論点の紹介といきましょうか。


大鷹
はい、田川さん。

大鷹 純 (おおたか じゅん)
徹底的なファクトチェックとパネリストとの出演交渉に奔走する影の立役者。田川、ゲンカイモンとは制作会議で激論を交わし合う同志。常に冷静沈着な仕事ぶりだが、実は誰よりもヒルガチを愛する熱血漢。初回放送では感極まって号泣する純粋な一面を見せ、視聴者とスタッフの心を掴む。

本日の議論の対立軸をフリップにまとめました。

女性女系天皇容認側の主張
  • 世論の約7割が支持しており国民統合の象徴にふさわしい
  • 安定的な皇位継承が可能になり皇室消滅の危機が回避できる
  • 男女平等の国際的価値観(ジェンダー平等)に合致する
  • 愛子さまご本人の資質と国民的人気が高い
  • 側室制度がない現代で男系男子維持は確率論的に無理がある
女性女系天皇否定側の主張
  • 神武天皇以来の「万世一系(男系)」の伝統が守れる
  • 「女系」を認めると、父方の血統が変わり別の王朝(易姓革命)になる恐れがある
  • Y染色体の継承こそが皇統の正統性であるという、科学に裏づけられた伝統の根拠
  • 女性天皇の夫(民間男性)が皇室に入ることによる「皇室乗っ取り」リスクが回避できる
  • 一度伝統を崩すとなし崩し的に皇室の権威が失われる懸念

田川さん、以上です。


愛子天皇待望論の正体と皇室の危機的現状

田川
大鷹さん、ごくろうさま。

まず現状認識から始めたい。

オープニングで申し上げた通り、直近の世論調査で女性天皇容認が69%と出ました。

女性天皇イコール愛子内親王と考えてよいと思います。

これほど国民が「愛子天皇」を望んでいるのに、なぜ国会の議論は遅々として進まないのか?

ここに大きな断絶を感じます。


高森
政治の怠慢、そして「先送り体質」が最大の原因です。

2021年の有識者会議の報告書でも、女性女系天皇の議論は事実上棚上げされました。

国民は愛子内親王殿下(あいこないしんのうでんか)の初の海外公務となるラオスでの堂々たるお姿、被災地での国民に寄り添う優しいお姿を見て、直感的に「次の天皇にふさわしい」と感じています。

今の皇室典範第一条が定める「男系男子」という縛りが、いかに現代社会の感覚とズレているか、国民は肌で感じているのです。


神宮寺
高森さん、皇室という存在は、いっときの「世論調査」や「人気の有無」で左右されるべきものではありません。

国民の7割が賛成といいますが、人の心ほど移ろいやすいものはありません。

また、本当に「女性天皇」と「女系天皇」の違いを認識した上での調査結果なのでしょうか?

愛子内親王殿下が素晴らしい品格をお持ちであるのは言うまでもありません。

ただし、「愛子さまが素敵な女性だから」というのは、2600年以上続いた国家の根幹を変える理由にはならないのです。


田川
神宮寺さんのおっしゃる慎重さは理解できます。

ただし、現状を冷静に認識すれば、次世代の皇位継承資格者は悠仁親王殿下(ひさひとしんのうでんか)お一人という現実は動かない。

これは「皇室消滅」の危機ではないでしょうか?

国民の愛子さま支持は単なる人気投票ではなく、この危機感の裏返しだとは思いませんか?


神宮寺
危機であることはもちろん認識しています。

だからと安易に「女系」へ舵を切れば、それはもはや日本の皇室ではなくなります。

伝統とはどんなに苦しい状況でも、何が何でも守り抜く意思を持ち続けることに意義があるのです。


高森
その「守り抜く意思を持ち続けた」結果が、皇室の消滅であれば本末転倒でしょう。

男系男子を守るために、皇室そのものを滅ぼしていいはずがありません。

私たちは「皇室が存在する日本」を未来に残すために、現実的な選択肢を提案しているのです。


女系は伝統破壊か? Y染色体神話の真偽

田川
先ほど神宮寺さんがチラッと触れた女性と女系。

この違いを明確にしたい。

高森さん、解説いける?

ではお願いします。


高森
はい、わかりました。

「女性」は文字通り女性が天皇になることです。

歴史上には推古天皇など、8人10代いらっしゃいます。

愛子内親王は父方が天皇なので、即位されれば「男系の女性天皇」となります。

一方、「女系」とは、母方のみが天皇の血筋を引くことです。

将来、愛子さまが天皇に即位後一般男性と結婚なさり、そのお子様が即位された場合、そのお子様は父親が一般人なので「女系天皇」となります。

保守派はこの「女系」への転換を、「王朝交代」だと言って恐れているわけです。


神宮寺
その通りです。

補足すると皇室の伝統は「男系」、すなわち父親の血筋を辿れば必ず神武天皇に行き着くという、一本の「Y染色体」の糸で繋がっています。

一度でも女系を認めてしまえば、どこの誰ともわからぬ男性の血が入った、全く新しい王朝になってしまう。

これは国体の破壊を意味します。


高森
出ましたね、Y染色体都市伝説。

神宮寺さん、Y染色体が発見されたのはせいぜいここ100年ほどの話です。

先人たちが染色体を理解し継承していたと考えるには無理があります。

彼らが重視していたもの、それは「血の繋がり」であり、男系に限定したのは当時の社会構造が圧倒的に男尊女卑だったからに過ぎません。

それを現代の科学で正当化するのは、後付けの屁理屈としか言えません。


田川
鋭い指摘です。

科学的なY染色体を絶対視するか、それとも、社会通念としての象徴性を重視するかで、意見は真っ二つに分かれてしまう。

神宮寺さん、仮にY染色体が途絶えたとしても、国民が「この方こそ天皇だ」と敬愛すれば、それは国体として成立しないのでしょうか?


神宮寺
成立しません。

それが「万世一系」の定義だからです。

掟と言ってもいい。

一度でも例外を作れば、皇室の正統性の根拠が「血統」から「国民の人気」に変わってしまいます。

そうなれば、時の政治権力が恣意的に天皇を選ぶことに繋がりかねない。

Y染色体という動かぬ基準があるからこそ、皇室の権威は守られているのです。


高森
正統性の根拠は、現代においては日本国憲法第一条にある通り「国民の総意」に基づくものです。

Y染色体という物質にのみ正統性を求めるのはむしろ唯物論であり、皇室の持つ精神性や国民との絆を軽視しているように思えてなりません。


世界の王室は長子優先へ! 日本だけ取り残される理由

田川
視野を世界に広げてみましょう。

イギリス、オランダ、スウェーデン、ベルギーなど、多くの王室が性別に関係なく、最初に生まれた子が継承する「長子優先」へ移行しています。

なぜ日本だけが、頑なに変わることができないのでしょうか?


高森
世界の王室は、人権意識の高まりとともに自らをアップデートしています。

イギリスでは2013年の王位継承法改正で、男子優先を撤廃しました。

オランダのアマリア王女やベルギーのエリザベート王女など、次世代のリーダーとして女性が期待されています。

これは「男女平等」という普遍的価値観を王室自らが体現することで、国民の信頼を勝ち取っているのです。

日本だけが「男子のみ」を続けることは、国際社会に対して「日本は公然と女性差別を制度化している国だ」と宣言しているようなものです。


神宮寺
他所(よそ)は他所、うちはうちとしか言いようがありません。

ヨーロッパの王室と日本の皇室は、その成り立ちも宗教的背景も全く異なります。

キリスト教圏の王室と、神道に基づく日本の祭祀王を同列に語ることはナンセンスです。

ローマ教皇が男性に限られるように、宗教的伝統には合理性だけでは割り切れない領域があるのです。


高森
しかし、皇室外交は極めて重要な公務です。

海外の王室が女性君主を迎え、ジェンダー平等を推進している中で、日本の天皇だけが「女性はなれない」という背景を背負って交流するのは、外交上の不利益にも繋がりかねません。

愛子さまの高い語学力を活かせないのは明らかに国家的損失です。


神宮寺
機能や能力、外交上の有利不利の話ではありません。

国の「在り方」の話をしているのです。

「在り方」は何にも優る。

愛子さまの教養はしかるべき機会に必ず発揮できるはずです。

便利だから、効率的だから、世界の潮流は今こちらだから、そんな理由で変えてはならない本質が国家にはあるのです。


田川
ですが神宮寺さん、スペイン王室のように男子優先を残しつつも、男子不在なら女子が継ぐという柔軟な国もあります。

頑なに拒否するのではなく、柔軟性を持つこともまた、伝統を長く続ける知恵ではないでしょうか?


神宮寺
日本の伝統は「一度も例外を作らなかった」という奇跡的な事実に価値があります。

一度でも例外を認めれば、それはもはや伝統ではなく、ただの慣習へと堕ちるのです。


悠仁親王殿下への重圧と皇室消滅のシナリオ

田川
より現実的、かつ人道的な問題に切り込みましょう。

現在、次世代の皇位継承者は悠仁親王殿下お一人です。

このプレッシャーは一人の若者が背負うにはあまりに過酷すぎませんか?


高森
私は虐待に近いレベルだと考えています。

未成年の頃から「絶対に男子を生まなければならない」という重圧を背負わされ、自由な進学や職業選択、恋愛もままならない。

一人の人間に、国の存亡をすべて背負わせる制度自体が、現代の人権感覚として非人道的です。

もし将来、悠仁さまご自身が「結婚しない」あるいは「子供を持たない」という選択をされたら、その瞬間に皇室は終わるのです。


神宮寺
皇族としてお生まれになった以上、その宿命を受け入れていただくしかありません。

歴代の天皇も、そうして個人の自由を犠牲にして重責を果たしてこられました。

我々国民は悠仁さまの覚悟を信じ、お支えし静かに見守るべきです。

あれこれ騒ぎ立てることこそが最大のプレッシャーになります。


高森
見守るだけで男子が生まれるなら苦労しません!

明治以前は側室制度があったから、男系をなんとか維持できたのです。

明治天皇は側室のお子様ですし、大正天皇もそうです。

一夫一婦制の現代で、側室なしに男系男子を維持するのは、確率論的に無理なのです。

制度の欠陥を個人の犠牲で埋め合わせようとするのはあまりに残酷です。


神宮寺
だからこそ、あとで議論すると思いますが、「旧宮家の復帰」が急務となってくるのです。

悠仁さまお一人に背負わせないための唯一のセーフティネットです。


田川
なるほど。

側室なき現代で男系を維持するには、対象者の母数を広げるしかないという理屈ですね。

しかし、それが実際に可能なのか、国民の理解を得られるのか。

後ほど議論しましょう。


国民はどう見る?スタジオゲストへの直撃インタビュー

田川
ここで、一般の国民代表としてスタジオに来てくださった多様なゲストの方々に、率直な意見を伺いましょう。

まずは女性から聞いてみようかな。

12万人以上のフォロワーをお持ちのインフルエンサー、ハルミさん。

これまでの議論を聞いてどうですか?

ハルミ

正直、男系とか女系とか歴史の話は難しくてピンとこないです。でも、愛子さまってめっちゃ上品で、笑顔も素敵じゃないですか? 天皇になれない理由が『女だから』だなんて、今の時代に会社で言ったら即パワハラで訴えられますよね。普通に能力のある人がなればいいじゃんって思いますし、愛子さまならみんな納得すると思います。

田川
完全にパワハラだよね。

次は、定食屋さんを営んでいる梶山さん、いかがですか?

梶山

うーん、俺は神宮寺先生の言うこともわかるんだよな。うちの店も代々秘伝のタレを守ってるけど、勝手にレシピ変えたら常連客が離れちゃう気がするし。2000年続いた看板を変えちゃったら、なんか日本じゃなくて違う国になっちゃうような怖さはあるよ。伝統って理屈じゃない重みがあるからね

田川
なるほど、皇室は特に理屈ではない部分が多いですからね。

では次に、教師をお辞めになり現在は推し活で忙しい山際さん、いかがでしょう。

山際

私は愛子さまに天皇になって欲しいと心から願っています。でもね、心配なのは結婚相手なんですよ。もし愛子さまが一般の男性と結婚されて、その旦那さんが『陛下』の夫として皇室に入り込むのは、ちょっと抵抗があります。小室さんの時もひと騒動あったし、どこの馬の骨かわからない人が皇室に影響力を持つのだけは避けていただきたいです

田川
山際さん、もしかして推しは愛子さま?(笑)

最後にフランスの新聞社にお勤めのミシェルさん、外国から見て日本の皇室はどのような印象ですか?

ミシェル

日本は本当に不思議な国デス。社会では女性活躍、女性管理職を増やせと言っているのに、一番上のトップシンボルは男性限定。これは大きな矛盾(パラドックス)デス。愛子さまは素晴らしい資質を持っているのに、それを制度で潰すのは、日本の言葉で言うとモッタイナイね

田川
ありがとうございます。

やはり「ジェンダー平等」という現代的価値観と、「伝統への畏敬」、そして「結婚相手への具体的な懸念」が入り混じっていますね。

この国民の複雑な感情をどう解きほぐすかが鍵になりそうです。


旧宮家復帰の致命的な弱点 ~血統と俗世間とのはざま~

田川
さて、神宮寺さんが男系維持の切り札とする「旧宮家復帰案」についてです。

戦後、皇籍離脱した11宮家の元皇族の男系男子を戻すという提案。

これは現実的なのでしょうか?


神宮寺
これこそが唯一かつ最善の解決策です。

現在も旧宮家の子孫には、男系男子の方が複数いらっしゃいます。

その方々に、現在の皇族の養子として入っていただくか、法改正で復帰していただければ、悠仁さまを支えることができます。

血統の正統性に一点の曇りもありません。


高森
正統性……本気でおっしゃっているのですか?

旧宮家の方々は、今の天皇家との共通の祖先は600年も前ですよ?

しかも、戦後80年近く、私たちと同じ「一般国民」として暮らしてきた方々です。

ある日突然「明日から皇族です」と言われて、国民が心から「陛下」「殿下」と呼んで敬えますか?

憲法が禁じる「門地による差別」にも抵触しかねません。


大鷹
田川さん、たくさんのメールの中で核心を突くご意見を見つけてしまいました。


田川
大鷹さん、それはとても興味深い。

どうぞ、紹介して下さい。


大鷹
はい、かしこまりました。

東京都在住、ペンネームひまわりさんからのメールです。

ひまわり

田川さん、大鷹さん。
毎週楽しく拝見しています。
神宮寺さんは『これこそが唯一かつ最善の解決策』と旧宮家の復帰を訴えますが、彼らは皇族としての帝王学を受けているのでしょうか?
愛子さまの立ち居振る舞いに一般人では持ち得ない品格が感じられるのは、帝王学の学習に励まれているときはもちろんのこと、お生まれになられてから天皇皇后両陛下と、ずっと一緒にお暮らしになられてきたからだと思います。
両陛下が国民を思う心や想いをすぐお側で感じ、それをご自身の経験として身につけてこられたからではありませんか?
けして、血統だけではないはずです。
旧宮家の方には失礼な物言いになりますが、俗世間で数十年とお暮らしになられてきた。

その結果、なにものでも補えないのが、天皇皇后両陛下と共に過ごされる時間です。
時間を巻き戻さない限り、どんなに頑張ろうとご一緒に過ごすことなど無理な話です。

同じ時を共有できなければ象徴としての在り方は理解できないと思います。
したがって、国民から愛子内親王のように敬愛されるのはとても難しいでしょう。
すなわち、象徴たり得ない。

愛子内親王の品格と美しい所作。
そして、国民から敬愛される要因は、皇統の血、ましてやY染色体の有無ではないと私たち国民は理解しています。

田川
今の発言にすぐ反応が来る、まさに生放送の醍醐味だね。

うーん、これは神宮寺さんへの痛烈な一撃だ。

神宮寺さんの前に、まずは高森さんにお聞きしたい。

ひまわりさんの見解になんとお答えしますか。


高森
ひまわりさん、素晴らしいご意見ありがとうございます。

私がお伝えしたいことを代弁してくれています。

帝王学は座学だけではありません。

両陛下の背中を見て息遣いを感じ、日々「国民を思い安寧を祈る」とはどういうことかを身をもってDNAへ刻印する。

これこそが、何ものにも代えられない「象徴としての資格」だと思います

一般社会で数十年間、自由を満喫してきた人が国民を想う心を持つ、すなわち、私(わたくし)を捨て公(おおやけ)になる。

このようなことは、どんなに優秀な宮家の方でも限りなく不可能です。


田川
確かに、「時間を巻き戻さない限り無理」という言葉には、反論できない現実があります。

神宮寺さん、Y染色体さえあればこの「両陛下と共に過ごした時間」という圧倒的な経験の差を、埋められるとお考えですか?


神宮寺
ひまわりさんは非常に本質的なことをご理解なされている。

確かに、「徳」や「品格」という点では、愛子さまに一日の長があるのは明白です。

一般社会で暮らしてきた旧宮家の方々が、すぐに国民の敬愛を集められるかと言えばそれはとても難しいでしょう。

陛下の側で共にお過ごしになる時間を過去に遡り経験することは、おっしゃる通り不可能です。

しかし……それでも私は言い続ける。

皇統の継承とは個人の資質にこだわらず、血を繋ぎ続ける制度なのだと。

仮に「ご立派だからどうぞ天皇に……」というならば、逆に「立派でないなら天皇をとり替えろ」という論理が成立してしまう。

その危うさを私は危惧しているのです。


田川
制度か、それとも人間としての共感か。

ひまわりさんの見解は、我々が天皇陛下に何を求めているのか。

「血統」なのか、それとも「心」なのか……という究極の問いを突きつけている。

旧宮家復帰案には法的な問題以上に、この「国民感情との乖離」という埋めがたい溝があるように思えてなりません。


もうひとつの心配事 ~女性天皇の夫と子に向けられる懸念~

田川
議論をさらに進めましょう。

ゲストの山際さんも心配されていましたが、女性天皇の配偶者、すなわち夫の問題です。

愛子さまが天皇になられた場合、その夫となる民間出身の男性を、我々はどのように受け入れればよいのでしょうか?


神宮寺
そこが女性天皇の最大リスクです。

もし特定の政治的、宗教的背景を持つ男性、海外勢力と繋がりがある男性が入り込めば、1番悪い想定として皇室の乗っ取りが考えられます。

歴史上、道鏡(どうきょう)のように女性天皇に取り入って権力を握ろうとした例がありますので。

これを防ぐ最強の防波堤が「男系男子」というルールなのです。

夫が誰であろうと、皇位継承権は渡さないという鉄則です。


高森
そのリスクは男性天皇の配偶者(皇后)でも同じことでしょう。

皇后陛下が政治的意図を持てば同じことが起きます。

なぜ女性天皇の夫だけを特別に危険視するのですか?

それこそ男性中心主義の偏見です。

現代なら徹底的な身辺調査が可能ですし、配偶者の公的地位や権限を法律で厳格に制限すれば乗っ取りを防ぐことは可能です。


神宮寺
男性が家に入るのと、女性が嫁ぐのとでは、日本の伝統的な家父長制の感覚として意味合いが決定的に違うのです。

「女系」のお子様が生まれた時、それは「父親の家の子」と見なされるのが日本の伝統的感覚です。

私で例えるなら天皇家の血筋ではなく、「神宮寺家」の血筋として認識されてしまう。


高森
いつまで明治時代の家制度の感覚を引きずっているのですか。

今の若い世代にとって、父親の姓だろうが母親の姓だろうが、愛子さまのお子様であれば「天皇家の血筋」として自然に受け入れますよ。

ひまわりさんがおっしゃる通り、国民が見ているのはY染色体ではなく、天皇に宿る「品格」と「物語」なのですから。


田川
確かに、国民の多くは「愛子さまのお子様なら」と歓迎する心の準備はできているようにも感じます。

しかし、神宮寺さんが言う「乗っ取りリスク」への具体的な法整備と、高森さんが言う「国民意識の変化」。

この2つのバランスをどう取るかが、現実的な落としどころになりそうです。


皇室の安定的継承に向けた最終結論

田川
議論も大詰めです。

男系維持か、女性、女系容認か。

お二人の最終的なスタンスと、歩み寄りの可能性についてお聞かせください。


神宮寺
私の理想はあくまで男系男子の維持です。

そこは譲れません。

ただし、西園寺さんが言う「皇室消滅の危機」、そして視聴者の方からのメールにあった、「血統だけでは補えない品格」という指摘には抗えない現実を感じています。

まず、旧宮家復帰を最優先で検討しつつも、国民の理解が得られない場合の「最後の緊急避難的措置」として、女性天皇(愛子さま)までは議論の余地があるかもしれません。

ただし、女系(そのお子様)への継承は王朝交代を意味するため断固反対です。


高森
神宮寺さんとしては、かなり譲歩されましたね。

私は、直系長子である愛子さまが継ぐのが最も自然で、国民の総意にも叶う民主的な形だと考えます。

ですが、保守層が懸念する「伝統の断絶」への恐怖を理解しなければ、国論を二分することも理解しています。

例えば、「女性天皇は容認するがその配偶者は皇族と認めず、政治的権限も持たない」といった折衷案で、保守層の不安を取り除く努力は必要でしょう。


田川
なるほど。

神宮寺案:旧宮家復帰に全力を注ぐ → 国民の支持が得られず万策尽きたら、愛子天皇(男系女子)一代限りを検討。

西園寺案:愛子天皇即位を基本とする → 配偶者リスク管理を徹底し、女系も視野に入れる。

完全な一致は難しいですが、「皇室を存続させたい」という切実な想いは共通しています。

そして、何よりもひまわりさんのように私たち国民一人ひとりが、「私にとって天皇とは何か?」を真剣に考えることが皇室を守る最大の力になるはずです。

本日も昼から生でガチバトルしていただきありがとうございました。

そしてお疲れ様でした。


特別コーナー、哲学者ソクラテスの私ならこうする!

本コーナーは哲学的視点からテーマを思考することが目的です。オカルトや心霊現象の実在を主張するものではありません。また、否定するものでもありません。哲学をイタコという民俗信仰を通じ、身近に感じていただくための演出とご理解下さい。

田川
さあー、すっかり恒例となりました。

先人の知恵をお借りするコーナー。

恐子さん、お待たせしました。

いつものように古代ギリシャの賢人をお呼びいただきたい。


イタコの恐子
んだんだ、任せとけ。

イタコの恐子
御年87歳、イタコ歴70年、現役のイタコ。ゲンカイモンが「恐子さん、ヒルガチにはあなたが必要なんです!」と1ヶ月かけて出演交渉の末口説き落とす。普段の柔らかい南部弁と、憑依時の威厳ある口調との「ギャップ萌え」がたまらない。ずだ袋に忍ばせるおやつの南部せんべいをいつもスタッフにおすそ分けしてくれる、愛と知性に溢れたヒルガチ自慢の看板娘。

今日は難しい話だからな、アタシも気合入れねばなんね。

ソクラテスの旦那、出てきてけろ!
(恐子の体が小刻みに震え、声のトーンが深く威厳あるものに変わる)


ソクラテス
田川よ、汝らはまた、答えの出ぬ問いに悩み、広場で騒いでおるようだな。

ソクラテス (紀元前469年頃 – 紀元前399年)
古代ギリシアの哲学者。西洋哲学の祖とされる人物。「無知の知」を自覚し、街頭での対話(問答法) を通じて人々に善や正義を問い続け、魂 (プシュケー) の重要性を説く。著作は残さず、その思想は弟子のプラトンらが伝えた。若者を惑わせた等の罪に問われたが、「悪法もまた法なり」と死刑判決を受け入れ70歳でその生涯を閉じる。

田川
おお、ソクラテス。

我々は日本の皇室の継承について、「血統」を守るべきか、「敬愛」に合わせて変化させるべきか、答えが出ません。


ソクラテス
ふむ、では問おう。

汝らが真に守りたいのはY染色体なる物質なのか。

それとも徳によって民を導き統合する魂なのか。


田川
それは……国民を統合する象徴としての魂、あるいは権威かもしれません。


ソクラテス
ならば、器(血統)の形にこだわりすぎて、中身の酒(魂)をこぼしては本末転倒であろう。

哲学者ソクラテスの私ならこうする!

善き統治者とは、生まれのみによって決まるのではなく、その者がいかに民を愛し、民から愛されるかという関係性の中にこそ真実がある。

汝らが愛子さまに惹かれるのは、内親王の中に『善き統治者の徳』を見出しているからであろう。

伝統とは灰を崇拝することではない。

火を絶やさぬことだ。

火を継ぐ者が女であれ男であれ、その火が民の心を明るく照らすなら、それは正統な火である。

形式(男系)に囚われ、本質(皇室の存続と国民との絆)を見失うでない。

自らの魂に問いかけよ、『私は何を見て、敬愛の念を抱くのか?』と
(恐子の震えが止まり、元の表情に戻る)


恐子
ふぅ、今日の旦那はいつにも増して説教臭かったな。

でも、大事なのは「中身」と「絆」だってことだべな。

霧晴れて見えぬ道ここに現れん!
(問題が解決し進むべき道が開けたの意、恐子さんの決めゼリフ)


田川
ソクラテスの言葉、重かったですね。

「伝統とは灰を崇拝することではなく、火を絶やさぬこと」。

そして、ひまわりさんのメールにあった「時間を巻き戻さない限り得られない品格」。

我々が守るべきは、男系男子という形式なのか、それとも天皇と国民が互いに敬愛し合う心の絆なのか。

女性天皇の是非は単なる制度論ではなく、我々日本人が皇室に何を求めているかを問う鏡です。

議論を恐れず、しかし互いを尊重しこの国の「火」をどう守るか、考え続けようではありませんか。

今日はここまで。

また来週です。


【参考文献リスト】



【ゲンカイモン総括】
いかがでしたか?

男系維持派の論理にも一理あり、女系容認派の危機感もまた真実です。

どちらか一方を「正」と決めつけるのではなく、両者の主張の根底にある「国を想う気持ち」に触れることが、クリティカルシンキングの第一歩です。

ソクラテスが言ったように、形式にとらわれず本質を見つめる視点。

恐子さんの口寄せを通じて、哲学が少し身近に感じられたなら幸いです。

本日もご視聴下さりありがとうございました。

来週の金曜日にまたお会いしましょう。

ごきげんよう。


【予告】
来週は「憲法を戦後80年の節目に問う、なぜ創憲は叶わないのか!」を放送予定、どうぞお楽しみに。

【より深くヒルガチを楽しむために】
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【クリティカルシンキングを理解する】
クリティカルシンキングについて、「クリティカルシンキングを極める」 で解説しています。

【ゲンカイモン運営哲学】
なぜ、クリティカルシンキングスキルの鍛錬に討論が有効なのか? この答えは「ゲンカイモンの挑戦」 で詳述しています。

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